"Imagine"の絶妙な気持ち良さについて

・僕は普段ジョン・レノンの曲の中でもImagineなんて聴くことはほとんどなくて、その理由はいくつかあり、しかし一番大きいのは単に僕にはあの曲が「退屈」としか感じられないということなのだけど、たまたま外出先で入ったお店とかでBGMとして流れているのを耳にすると「いや、やっぱフツーに良いわ」とか思ってしまう。

・その「良い」の感覚の一部をもっと具体的な言葉で書けば、あのピアノのタンタン、タンタンという繰り返しは、譜面にすれば何の変哲も無い8分音符だが、実際の音源ではエコーがかかっているせいで、文字で表現するならコロン、コロン……という感じに聴こえる。そんなエコー処理自体は別に珍しくもなんともないのだが、Imagineではそれが微妙に転がっていくような、(しかし決してそこばかりが気になってしまうことは無いくらいの)心地よいリズムを作ってるような気がする。そして、こういう気持ち良さはどういうわけか、自宅のスピーカーやイヤホンで聴いているときより、街中で他のいろんな雑音に混じって薄っすら聴こえてる時にハッと気が付きやすいみたいだ。

・「ピアノの曲」繋がりでいうと、同じような気持ち良さがビートルズのLet it beにもあると思う。かなり以前、2ちゃんねるビートルズスレで、Let it beについて「作曲的には凡曲なはずが、演奏・レコーディングのファインプレーで名曲になった」「採用テイクが神テイク」みたいなことが書いてあって、実際そこまで言えるかどうかはともかくとして、ほ〜と思ったのを思い出した(相当あやふやな記憶だが)。

・やっぱり何十年も有名であり続けてる曲というのは、f分のなんとか揺らぎではないけど、それなりのそういう何かがあるんだろうし(語彙力)、そういう微妙な何かを自分自身でも見(聴き)逃さない能力が才能というものなんだろう、などと考えた。

・まあ音楽をきちんとやってる人からしたら「何いってんだこいつ」みたいなことを書いてる可能性は十分ある。