ビートルズとレッド・ツェッペリンの来日のこと

・昭和四十一年にあのザ・ビートルズが日本に来て、武道館でコンサートをやったというのは、アポロ11号の月面着陸なんかに比べたら疑う余地は0.1ミリも残されていない事実に決まってるのだが、その前座がドリフだったとか、ホテルで加山雄三が面会しただとかというほとんど冗談みたいなエピソードも相まって、僕にはなんだかフィクションのように思えてしまう。日航機のタラップで4人が法被着てる写真も、それこそ月面に刺された星条旗の写真くらい嘘っぽくどこかナンセンスで、「あれ実はフェイクなんです」って言われたら、僕はああやっぱりねと言ってしまうと思う……いや、別に僕はアポロの月面着陸をそれほど疑ってるわけではないんだけど。

もっとも(というかそもそも、というか)、僕はその出来事の約30年後に生まれた、つまりリアルタイムで接していないどころか、かすりもしない世代の人間なのだから当然ではないかと言わればその通りなのだが、いやいや、そういうことではないんだ、と思うのだ。なんだろう、この感じは。

・それに比べると、昭和四十六年のレッド・ツェッペリン初来日という出来事の方が遥かに一般的な認知度は低いし、そんなバリバリにバンドとして上り坂の頃(1971年!!)に来てたのかという驚きも強く、さらには広島を訪問して原爆資料館などを見学、市長との面会まで果たしていたというのは初めて聞いたときには本当驚いたのだが、驚いたなりにきちんと事実として感じられるのは、これまたなんなのか。