道で天狗と鉢合わせした

今日、道で天狗を見た。コンビニで買い物を終えた僕が道に出た途端、鉢合わせだった。

黒いハンチング帽に黒いマスク。帽子の後ろから髷のように束ねた髪が突き出ている。肩から重そうな黒いマントを羽織り、その下に着ている黒いロングコートの丈は膝まである。そして足元はヘビーデューティな編み上げブーツ。こんな誰がどこから見たって一発で天狗とわかる出で立ち、さすがにもう少しごまかしたほうがいいのでは、と思わず心配してしまった。余計なお世話かもしれないけど、そんな格好じゃあ職質されちゃうよと思う。なにしろどう見たって天狗だものね。

東京の街では、人間社会に紛れ込んだ天狗を見つけだそうとお巡りさんがあちらこちらに立っている。聞いたところでは、やたら大きなバッグ、迷彩柄の服、金髪、極端な痩せ型……こんなところもお巡りさんは天狗の特徴と見てアタリをつけているらしいけど、人間にもこういう格好をしてる者はいくらでもいるのだから、これじゃあ大した手がかりにはならないだろう。まあ、お巡りさんだってそう簡単に手の内は明かせないよね。本当はもっと他に見ているポイントがあるのだろうけど、僕ら一般市民にとってはもうほとんど見分けがつかないくらい、今の天狗は溶け込む努力をしている。

だから今日はあまりにも分かりやすい天狗を見てしまって、ちょっとドギマギした。

参考サイト:Exciteニュース「職務質問のターゲットにされる服装や髪型とは?」

https://www.excite.co.jp/news/article/Radiolife_40833/