「天ぷらうどん」が無い?

先日、某セルフ式うどんチェーン店に入ったときのことです。僕のすぐ後に入店してきたご年配の男性が「天ぷらうどん!」と注文を発しましたが、こうした「讃岐風」チェーンのメニューに「天ぷらうどん」なるものは存在しません。幸いお店は空いてる時間帯でもあったので、店員さんが

「ごめんなさいね、天ぷらうどんっていうのは無いんです。『かけ』を選んでもらって、天ぷらはあちらからお好きなものを自分で取っていただくと『天ぷらうどん』になりますけど、それでいいです?」

と丁寧に説明され、おじい様も「……それでいい」とご納得(?)し、無事「天ぷらうどん」を食べることができたようでした。

ちなみにそこは、JR駅の1階に生花店などと並んで出店してるタイプの店舗だったのですが、長年生きてきてですよ、駅でちょいと入ったうどん屋にて「天ぷらうどん」が通用しない日が来るだなんて、これはなかなかショッキングな事態だったのではないかと想像しました。

とはいえ、僕の知る限り多くのご年配(何度も失礼ですみません)の方々は最初こそ「なんじゃそれ」というようなモノやシステムであっても、数回使ううちに自分のものにしてしまう印象があります。どうしても馴染みにくい概念などに突き当たると、しばしば独自の解釈を編み出して乗り切ってしまうところとかもパワフルだと感じます。

だいたい、僕を含めた若輩者にしたところが、「ブレンドのS!」をスターバックスでは「ドリップコーヒーのショートですね」と訂正され、セブンイレブンでは「ホットコーヒーのレギュラーでよろしいですか」と訂正されながらも、戸惑いよりはおいしさや便利さを享受しているわけで、同じようなものじゃないでしょうか。なんとかなりゃあいいのです。