ミスチル桜井さんの「自分は本当に天才なんじゃないかと思う瞬間」のこと

・昨日はあまりにも寒すぎた。気持ちは塞ぎ込み体は動かずひどいものだった。もっと強くなりたいものだとつくづく思う。

・このところ、30を過ぎて「今更?」というタイミングでミスチルをかなり聴いていて、いろいろ発見があって面白い。たとえば、桜井さんのソングライティングはメロディーに対する(歌詞の)言葉の音の当て方に独特なものがあって、たぶんこれがクセになるポイントじゃないかとか。あとはやっぱりこのストリングスはどうしても必要なのかな……と考えたりとか。

・ところで、Wikipedia桜井和寿さんの記事を読んでいたら「『自分は本当に天才なんじゃないかと思う瞬間がある』と語っている」という記述があった。これはちょっと驚きだ。

・「自分は天才なんじゃないかと思う瞬間がある」ことが驚きなのではない。だいたい十代の半ば〜終わりの頃に創作系の活動をしていた人ならば、少なくない人が思い当たると思うのだけど、この時期には「自分は本当に天才なんじゃないかと思う瞬間」が(一度ではなく何回か)あるものだ。

・そして、残念ながらそれがとんでもない勘違いにすぎないということを、制作活動や同世代の制作者との出会いなどを通して思い知らされるというのが、十代の半ば〜終わりの創作活動というもので、(当人にとってはなかなか堪える経験なのだけど)それ自体は悪いことでも悲観することでもなく、むしろ自らが「天才ではない」と理解することで、自分や世界のありようの捉え方が一段階違うステップに進むことになるのがこの時期だったりもする。

・ところが桜井さんは、当該記事に引用されている発言内容から読み取る限り、メジャーデビューを果たした後の二十代、そしておそらく三十代以降にも「自分は本当に天才なんじゃないかと思う瞬間」があるのだと思われる。しかも、それが多くの人の経験する「勘違い」では決してなく(仮にもし"天才"ではないとしても)日本のメジャーポップスシーンの第一線で長年ヒットを飛ばし続けているというのだから、これはすごい。

・世の中にはこのような人もいるのだ。……というか、やはりこのクラスになると「化け物」なのだろう。