こんな夢を見た——Gibson ES-335

ギブソンのES-335が強烈に欲しくなるという夢を「見た」。


「見た」とカギカッコをつけるのは、正確に言うと、普通の夢のように視覚的な情景が浮かんだわけではなく、「ES -335が欲しい」という感情だけが寝ながらにしてふつふつと沸き起こったからだ。こんな経験は初めてだ。

 

とにかく、それで僕は今朝起きたあとも、ES-335が欲しいという感情に取り憑かれ続けている。
僕もいい大人になり、常識人の皮を被ってサラリーマン稼業に精を出しているので、10数万円位の買い物なら、数年に1回くらい、清水の舞台からバック転しながら飛び降りる覚悟をすればできないこともない。

 

しかしES-335はそんな僕をあざ笑う。
かのギターは新品価格で30万くらいするのだ。中古でも20万代はくだらない。あゝ。

 

僕が思うに、良いギターを買う最大のメリットは、下手くそなのをギターのせいにしなくなることだ。

 

実際、安物ギターというのはあちこちの作りや調整が甘いせいで弾きにくいことが多いので、初心者であるほど1万円代のギターなんかには決して手を出してはいけないと言われている。

 

逆に、プロが弾くと安物だろうが高級品だろうが、ふつーにいい音に聴こえたりする(その手の検証動画はYou Tubeに溢れている)。

 

もし僕にES-335を与えてくれたら、僕はもう2度と自分の下手くそさを、ギターのせいになんかしない。というか、このクラスのギターになると、もはや自分よりギターの方が確実に格上の存在なので「弾かせていただいている」状態である。

 

「ちょっとアンタ痛いわね、もうちょっとやさしくチョーキングしないさいよ。ヘタクソ!」みたいな感じだ。

 

人生は短い。あと数年もしたら、超緊縮財政主義の女の人と結婚してギターなんて二度と買えなくなるという可能性だってあるんだ。貯金がマイナスにならないまでの買い物なら、さっさとしておけという考え方もある。

 

だけどやっぱり30万は高すぎる。清水の舞台じゃきかないな。アポロシアターの舞台で全裸になるくらいの覚悟だ。……できなくもないか……。